
構造:木造2階建て
建築面積:50.51㎡
延床面積:82.08㎡
狭小敷地に、物語の続きを建てる
敷地は片野の交差点に面した、間口の狭い変形地。一見不利な条件は、Alice Hair Designの世界観を立ち上げる舞台として、むしろ理に適っていました。
設計の出発点は、旧店舗から受け継がれるシャンデリア、アンティークチェスト、ベルベットの椅子、鋳鉄の装飾——十三年の時間をまとった家具たちです。
これらを主役として迎え入れる器を逆算し、建物の表情を決めていきました。
二層に積み上げた縦長のヴォリュームを、二つの素材で塗り分けています。
正面のセメント系外装材は、白華をあえて抑えず素材そのままに仕上げたもので、一枚として同じ表情はありません。
これに、職人がコテで塗り重ねた左官仕上げの妻壁を組み合わせました。
均質を拒んだ二素材は、年月を重ねた家具と響き合い、新築でありながら時間の厚みを宿す佇まいをつくっています。
狭さは制約ではなく、物語のための舞台装置として読み替えています。